【事例あり】SXとは?SDGsやDXとの関連や実現のポイントを解説!

2023.08.24

【事例あり】SXとは?SDGsやDXとの関連や実現のポイントを解説!

SDGsの推進や経済産業省による「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」により、SXが注目されています。

このページでは、SXの概要と注目される背景、そしてDXとの関連とともに、企業がSXを実現するために重要な3つの要素と推進に欠かせないダイナミック・ケイパビリティについて解説します。

SXとはー概要と注目される背景

SXとはー概要と注目される背景

まずは、SXの概要と注目される背景について解説します。

SXとは

SXとは、「サステナビリティ・トランスフォーメーション(Sustainability Transformation)」の略であり、企業が中長期的に成長し続けるために、ビジネスの安定とESGを両立できるように変革する取り組みを指します。

「ESG」とは「Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)」の略であり、環境問題や社会課題に配慮してビジネスを展開することを言います。

経済産業省は、2021年5月に「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」を立ち上げ、SXの実現に向けて議論を進めています。

そして、議論と研究の報告書として「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」と、SX実現に向けたフレームワークとして「価値協創ガイダンス2.0」を発表しています。

SXが注目される背景

SXは、ビジネス環境の不確実性が増していることやIT技術の急速な進化、そしESG投資の浸透によって注目を集めています。

世界情勢の変化

昨今の地球温暖化による気候変動や自然災害、そして食糧危機は深刻化しており、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。

また、新型感染症の拡大やロシアのウクライナ侵攻などによる世界のサプライチェーン寸断など、従来の社会システムが大きく変わる事象が多発しています。

さらに、IoTやビッグデータ、そしてAI技術の急速な進化により、従来の産業や経済活動を刷新するような「第4次産業革命」と呼ばれるイノベーションが各業界で見られるようになりました。

環境変動や世界情勢は不透明なうえ、技術革新は今後さらに加速していくと予想されます。企業はこれらを踏まえて、持続的にビジネスを成長させるSXへの取り組みが求められます。

急速な市場ニーズの変化とIT技術の進化

近年では、情報拡散の形が多種多様に変化しています。例えば、SNSではInstagramから派生した「Threads」やTwitterから進化した「X」のほか、分散型SNSの「Bluesky」などニーズに応じて様々なサービスが登場しています。

このように変化が激しく未来の予測が困難な「VUCA時代」と言われる今、企業が顧客ニーズを満たす商品やサービスを提供するには、将来性を見据えた中長期的な視点が求められます。

また、IT技術においても、生成AIの急速な進化や量子コンピュータのような最新技術が続々と登場する今、企業はそれらの技術をビジネスに活かし、競争力を高める取り組みが不可欠です。

しかし、企業が保有する経営リソース「ヒト、モノ、カネ」は有限であるため、中長期的に成長が望めるような技術の選択が必要になります。

SDGsへの関心高まりとESG投資の拡大

2015年に国連総会で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」は、持続可能な世界と多様性に富んだ社会を実現するための開発目標・行動計画であり、SXとも深く関連しています。

そしてSDGsに関心が高まる中、投資家の間では「ESG投資」という考え方が主流になってきています。「ESG投資」とは、環境問題や社会課題に配慮したビジネスを展開する企業に積極的に投資するというものです。

特に、ミレニアル世代やZ世代は情報感度が高いため、世界で起きている社会課題や環境問題に当事者意識が芽生えやすい傾向があります。また、多くのアーティストやインフルエンサーが環境保全活動に関する取り組みを発信していることも、SDGsに関心が高い理由と言えます。

そのため、企業が社会貢献活動である「CSR」やSXに積極的に取り組む姿勢を示すことで、上記世代に該当するESG投資家からの投資拡大が期待できます。

人的資本への取り組み拡大

昨今では、企業の人的資本への取り組みも重視されています。

IT化が進む今、ビジネスモデルの刷新や企業のIT化推進には人間の能力が不可欠であることから、従来の「人材=コスト」という認識から「人材=企業資本」という認識に変化しました。

この流れを受けて2023年3月以降、内閣官房の非財務情報可視化研究会により大手企業4000社を対象に「人的資本可視化指針」が公表され、人的資本の情報開示について定義されました。

具体的には、企業が発行する有価証券報告書に人材への投資額や従業員満足度といった人的資本に関する情報を記載し、ステークホルダーへ公開することを示しています。

従業員の能力開発やエンゲージメント向上は、サステナブルな組織文化の構築と中長期的な成長に結びつくため、SX実現につながると言えます。

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SXとDX・GXとの違いと関係性 

SXと関連するキーワードに、DXやGXが挙げられます。

DXとSX

DXとは「デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略であり、IoTやビッグデータ、AIなどのIT技術を用いてビジネスに革新をもたらし、顧客に新しい価値を提供することを指します。

SXは社会全体の中長期的な成長を目指すのに対し、DXは時間軸の観点が無く企業の成長に焦点を当てる点が異なります。

ただ、SXとDXは相反するものではなく、例えばDXによって企業がビッグデータを活用しサステナブルな事業につなげることができればSX実現に役立つように、互いに影響し合う考え方と言えます。

GXとSX

GXとは「グリーン・トランスフォーメーション(Green Transformation)」の略であり、経済成長と環境保護の両立を目指した取り組みを言います。

GXは、環境保護問題の中でも温室効果ガスの削減に焦点を当てており、温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにし、プラスマイナスゼロにするという「カーボンニュートラル」の実現を目指しています。

SXが社会課題の解決もテーマに含むことから、GXはSXを達成するための手段の一つと言えます。

SXに必要な3つの要素

SXに必要な3つの要素

経済産業省の「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」によると、SXの実現には3つの要素が必要になります。

SXに必要な要素1:企業のサステナビリティ

SXには2つのサステナビリティがあり、その一つが企業の「稼ぐ力」を持続・強化する「企業のサステナビリティ」です。

「稼ぐ力」とは、企業の強みや競争優位性、そしてビジネスモデルを指し、それらを強化することで企業の持続性を中長期的に高めることができます。具体的には、事業ポートフォリオや経営マネジメントを見直し、イノベーションを創出する取り組みが企業のサステナビリティにつながるとしています。

また、様々なリスクが生じてもビジネスを持続させる力も企業のサステナビリティに含まれます。例えば、自然災害によって被るリスクを危惧するのではなく、あらかじめ企業データをクラウド化しておくといった対処をしておけば、災害時にも迅速な復旧が可能です。

そのほか、サイバー攻撃などを受けた際のシナリオを作成し、レジリエンス(回復力)の強化を行うことも有効です。

SXに必要な要素2:社会のサステナビリティ

SXのもう一つのサステナビリティが、社会課題や環境問題に取り組む「社会のサステナビリティ」です。不確実性が高まる現代において、企業は社会のサステナビリティも意識することで、経営リスクに対処できるだけでなく新たなビジネスチャンスの獲得にもつながります。

例えば、瓶型ソーラーランタンの生産・販売を行う企業「ソネングラス」は、南アフリカの雇用創出と100%太陽光発電を両立させた「瓶型ソーラーランタン」を展開していますが、コロナ禍で加速したキャンプ人気によりさらなる需要拡大を実現しました。

このように、SXには社会の変動をリスクではなくビジネスチャンスとして捉える意識も求められます。

SXに必要な要素3:人的資本経営の観点による投資家との対話

SXは中長期的な取り組みのため、短期間で利益を得られるとは限りません。そのため、将来的なイノベーションに対する先行投資やビジネスの多角化、そして社会奉仕事業は直近のビジネスに結びつかず、投資家に必要性の有無を問われることがあります。

企業は投資家と積極的に対話の機会を設け、SXの重要性や中長期的に見て得られるメリット、そして社会的意義について丁寧に説明する必要があります。

これは無形資産である人的資本経営とも関連する事柄であり、人的資本への投資が企業の中長期的成長につながる点もあわせて投資家との対話が重要になります。

SXを推進するために

SXを推進するために

最後に、企業のSXの現状とSXを推進するために必要な要素について解説します。

SXの現状

ITリサーチ企業ガートナーの調査によれば、経済的困難に直面した企業の39%がサステナビリティに対する投資を削減する可能性があると示しています。※

SXの推進は、企業のコンプライアンスやリスク回避に留まらず、ビジネスチャンスの獲得にもつながるという認識を広める取り組みが急務と言えます。

※引用元:Economic disruption could hamper sustainability efforts|sustainabilitymag

SXの推進に欠かせないダイナミック・ケイパビリティ

企業のSXを推進するには、「ダイナミック・ケイパビリティ」を強化する取り組みが必要です。

ダイナミック・ケイパビリティとは

経済産業省の「製造基盤白書(ものづくり白書)2020年版」によると、「ダイナミック・ケイパビリティ」とは、環境や状況が激しく変化する中で企業がその変化に対応し自己を変革する能力を指します。

具体的には、次の3つの能力に分類されます。

・感知(センシング):脅威や危機を感知する能力
・捕捉(シージング):機会を捉え、既存の資産・知識・技術を再構成して競争力を獲得する能力
・変容(トランスフォーミング):競争力を持続的なものにするために、組織全体を刷新し、変容する能力

※引用元:「製造基盤白書(ものづくり白書)2020年版」|経済産業省

「感知」とは、自社の状況や外部環境を判断し、自社に変革が必要かどうかを感知する能力です。また、膨大なデータの中から必要な情報を適切に処理し、ビジネスに活かす体制を社内に構築していることも重要です。

そして、「捕捉」とは「変化の意味を理解する」能力であり、ビッグデータやAIなどのデジタル技術を利用して変化を予測し、それに応じて自社の保有資産をブラッシュアップして競争力を高める能力を指します。

これは企業が長年にわたって構築してきた産物であり他社による模倣が難しいため、将来的に守っていくべき企業資産と言えます。

最後の「変容」とは、企業のあるべき姿を目指して競争力を高めるために組織を刷新していく能力を指します。例えば、社内の人事制度を刷新することや社内の組織体制を構成し直す取り組みが挙げられます。

この組織改革は、一度で完結するものではなく継続的に行われることであり、常に最適な形に刷新し続けるべきと言えます。

ダイナミック・ケイパビリティを強化するには

デジタル技術は、業務の効率化やコスト削減を実現するだけではなく、ダイナミック・ケイパビリティの3つの能力「感知・捕捉・変容」それぞれの強化に役立ちます。

データを分析して判断する「感知」には、データの収集・分析技術が不可欠であり、同時にAIを用いて状況予測を行うことも有効です。

また、自社の資産を再編成する「捕捉」では、リアルタイムデータの分析結果を活用できます。

そして、社内の組織を刷新していく「変容」は、基幹システムのクラウド化やリモートワークの積極的導入といったDXが該当します。

このように、企業のダイナミック・ケイパビリティを強化するには、複数のデジタル技術を活用することで実現し、それにはデジタル技術を使いこなす人材の存在が重要になります。

SXを実践するビジネス変革事例

実際にSXを実践し、ビジネス変革を実現している企業の事例を紹介します。

ネスレ日本

ネスレ日本では、様々なSX事例があります。

例えば、沖縄県において官民連携して耕作放棄地を活用し国産コーヒー豆の本格栽培に取り組むことで、第一次産業における問題解決と国産コーヒーの特産品化を目指しています。

また、大阪府と協同してVR技術を活用した動物愛護教育プログラムを開始し、人とペットの豊かな共生社会実現のための取り組みも始めています。

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループは、社内でSX推進に取り組むだけでなく中堅・中小企業の顧客に向けて「サステナビリティ経営エキスパート」を配置し、SX推進支援サービスを提供しています。

例えば、イオンモールの省・創エネルギーの観点から温室効果ガスをゼロにする取り組みを推進するべく、太陽光発電による電力供給によって「電力の地産地消」を支援しています。

このように、企業の特色とデジタル技術を活かしてSXに取り組むだけでなく、SX支援を行う企業事例が増えています。今後は、自社の事業に関連のある社会課題や環境問題に目を向け、解決に取り組むSXがさらに多く求められると予想されるでしょう。

まとめ

【事例あり】SXとは?SDGsやDXとの関連や実現のポイントを解説! まとめ

SXについてまとめると、企業が中長期的に成長し続けるために、ビジネスの安定とESG(環境・社会・ガバナンス)を両立できるよう変革する取り組みであると言えます。

経済産業省の「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」や「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」、そして「価値協創ガイダンス2.0」によって議論と研究が進められています。

SXは、次の背景によって注目されています。

・世界情勢の変化
・急速な市場ニーズの変化とIT技術の進化
・SDGsへの関心高まりとESG投資の拡大
・人的資本への取り組み拡大

SXに関連するキーワードにDXやGXがあり、それぞれの意義は異なるものの関連性は高いと言えます。

そして、SXには次の3つの要素が必要です。

・企業のサステナビリティ
・社会のサステナビリティ
・人的資本経営の観点による投資家との対話

SXを推進するためには、「感知・捕捉・変容」の能力からなるダイナミック・ケイパビリティを強化することが有効であり、デジタル技術の活用が有効です。

ぜひ、自社ではどのようにSXを実現していけるか検討してみてください。

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