2023年のテクノロジートレンドから読み解く!戦略的なITの活用法とは

2023.05.11

2023年のテクノロジートレンドから読み解く!戦略的なITの活用法とは

世界的なパンデミックやエネルギー価格の高騰、そしてインフレの拡大など経済や社会の混乱が続く2023年、IT技術はさらなる進化を続けています。

このページでは、GartnerとCounterpointが発表した2023年のテクノロジートレンドを紹介し、企業がIT技術を戦略的に活用していくために意識するポイントを解説します。

Gartnerが発表ー「10の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」

まずは、IT分野での調査・助言を行う米国企業Gartnerが発表した、2023年のテクノロジートレンドについて解説します。

Gartnerが掲げる3つのテーマと10のトレンド

Gartnerが掲げる3つのテーマと10のトレンド

※引用元:Gartner、2023年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表

Gartnerが発表した「2023年の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」は、「最適化 (Optimize)、拡張 (Scale)、開拓 (Pioneer)」、そして「持続可能なテクノロジー」というテーマで10のテクノロジーを挙げています。

戦略的テクノロジーのテーマ1:最適化 (Optimize)

企業は、次の3つのIT技術を活用してシステム障害から回復する力「レジリエンス」やオペレーションを最適化し、信頼性を高めることでコストを抑えながらビジネス価値を提供することが望まれています。

・デジタル免疫システム 

「デジタル免疫システム」とは、ウイルスなど様々な脅威から体を防衛する生物の免疫反応のように、システムに異常を及ぼす危険がある要因に対して適切に処理する仕組みを作り、耐久性や迅速な復旧を実現する取り組みを指します。

DXが推進される今、デジタル免疫システムによって企業の資産を守るだけでなく、UXやCXの維持と向上にも役立てられると言えます。

デジタル免疫システムの強化には、「AI拡張型テスト」や「自動修復」、「サイト・リライアビリティ・エンジニアリング」などを含む6つの要素が必要とされています。

・オブザーバビリティ(可観測性)の応用

「オブザーバビリティ」とは、システム全体の流れを可視化することで、パフォーマンスを向上させることを目指す監視体制をいいます。

メトリクスで監視データを収集し、ログで詳細を把握、そしてトレースでシステム内の処理を順に辿っていき、システム障害の根本原因を特定するという仕組みを取ります。

そして、このオブザーバビリティを応用することでユーザーのデータを効率的に収集し、それをもとに価値あるサービスを開発することを目指します。

クライアントサーバーシステムやブロックチェーンのような分散システムや多機能を有するクラウドサービスの活用が増えていることから、重視される体制だと言えます。

・AI TRiSM

「AI TRiSM」とは、AIの信頼性(AI Trust)、リスク (Risk)、そしてセキュリティ管理(Security Management)の頭文字を組み合わせた造語です。

Gartnerが2022年8月に米・英・独で行った調査によると、AI技術を通じてプライバシー侵害やセキュリティリスクを経験した組織は41%あるとしています。そして、AI TRiSMに積極的に取り組む組織は多くのビジネス価値を達成していることも判明しています。※

組織は、ITセキュリティ部門だけでなく、コンプライアンスやデータアナリティクスなど様々な部門を横断してAI TRiSMに取り組み、AIによるビジネス革新を目指すことが求められます。

※引用元:Gartner Survey Reveals 80% of Executives Think Automation Can Be Applied to Any Business Decision|Gartner

戦略的テクノロジーのテーマ2:拡張 (Scale)

Gartnerは、システムの全体を一元管理し、開発工程を迅速に進めること、そしてワイヤレス技術を拡張して新たなビジネス機会を創出する取り組みを行うことが組織の成長を加速させるとしています。

・インダストリ クラウド プラットフォーム

業種や業界の特徴に合わせてカスタマイズしたクラウドサービスを「インダストリ クラウド プラットフォーム」と言い、SaaS/PaaS/IaaSそれぞれに必要な機能を組み合わせ、パッケージとして提供することでビジネスを迅速に進めることができます。

例えば、金融業界の企業がクラウドサービスを利用する場合は、高いセキュリティ性を維持しながら、顧客が保有する複数の口座情報や個人情報をリアルタイムに集計することが重視されています。

・プラットフォーム・エンジニアリング 

迅速かつ効率的に開発を進める「DevOps」が重視されていますが、開発者の業務が多くて負担が大きいことやIT人材の不足が深刻化していることから、プラットフォーム・エンジニアリングが注目されています。

「プラットフォーム・エンジニアリング」とは、クラウドサービスや自動化技術を活用し、開発者がインフラを気にせずアプリケーションの開発に専念できる環境を整備し、生産性を向上させることを言います。

プラットフォーム・エンジニアリングによって、開発者は簡単に開発環境を構築できるため、流動的なユーザーのニーズに応えるサービスを迅速に開発することができます。

・ワイヤレスの高付加価値化

今では、Wi-Fiやモバイル向けの4G/5Gサービス、IoTの通信に欠かせないとされる低消費・長距離電力のLPWA、そして近距離無線のRFIDなど、あらゆるワイヤレスソリューションが活用されています。

そして、今後はワイヤレス技術を新たなビジネス機会創出に向けて活用する取り組みが進んでいます。例えば、ワイヤレスツールの位置情報やセンサーをもとにデータを数値化するセンシングや、振動や人の体温などを電力に変換して発電するエネルギー・ハーベスティングといった、新しい機能が展開されています。

戦略的テクノロジーのテーマ3:開拓 (Pioneer)

企業は、最先端のIT技術を開拓することで、DXを推進するだけでなくビジネスを変革し新しい価値を生み出すことができます。

・スーパーアプリ 

「スーパーアプリ」とは、1つのアプリケーションの中に複数のミニアプリやプラットフォーム、エコシステムの機能を保有している統合的なアプリを指します。

スーパーアプリの代表的な例に、LINEが挙げられます。LINEにはメッセージのやり取りを行う機能だけでなく、同アプリ内で企業がデジタル会員証やテイクアウトサービスなどを提供するLINEミニアプリがあります。

ほかにも、PayPayには同アプリ内でPayPayモールやTOHOシネマズなど、様々な企業によるミニアプリが提供されています。

今後は、企業がスーパーアプリを活用して自社のサービスの利便性やCXを高め、ユーザー獲得に取り組む動きが増えてくると言えるでしょう。

・アダプティブAI

「アダプティブAI」とは、ChatGPTに代表される対話型AIのように、ユーザーや社会に対応し、学習しながら継続的に進化していくAIを指します。

従来のAIは、システム開発の自動化技術などあらかじめ人間が設定した規則に沿って業務を効率化するにとどまっていましたが、今後はAIが過去のデータや未来予測をもとに自ら最適解を出すといった高度な自動化が可能になると言えます。

こういったアダプティブAIは、ユーザーのニーズが変化しやすい業界や社会に迅速に対応するべきオペレーションに適しています。

・メタバース

Gartnerは、「Gartner IT Symposium/Xpo 2022」において、2027年までに世界の大企業の40%以上がWeb3やARクラウド、そしてデジタル・ツインなどを組み合わせてメタバースをベースにしたプロジェクトに活用すると予測しています。

実際に日本でも、JP GAMESが提供するメタバース基盤「リュウグウコク」で構成される「ジャパン・メタバース経済圏」が、国内の企業10社の賛同を受けて創出されると話題になりました。

このように、今後は企業や行政においてメタバースを活用し、新規ビジネスを展開したり、社会課題の解決につなげたりする動きが増えていくと言えるでしょう。

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Counterpointが発表ー「2023 年のテクノロジートレンドトップ10」

次に、IT調査会社Counterpointが発表したテクノロジートレンドを解説します。

Counterpointが掲げる10のトレンド

Counterpointが掲げる10のトレンド

※引用元:AI, Digital Twins, Real-time Compute Emerge as Top Technology Trends for 2023

TMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な香港の調査会社Counterpointは、23年2月27日に2023年のテクノロジートレンドを発表しました。

この章では、特に注目度の高い「ABIoT」と「リアルタイムコンピューティング」について解説します。

注目のテクノロジー1:IoT・AI・ブロックチェーンが合体した「ABIoT」

「ABIoT」とは、AIとBlockchain、そしてIoTの頭文字を組み合わせた造語であり、それぞれを組み合わせたビジネスモデルを指します。

IoTから様々なデータを収集し、AIがそれを分析してユーザーのニーズや解決策を提案・企画し、生み出したサービスを高セキュリティで書き換え不能な記録に保存し、ブロックチェーンで取引を行うというビジネスモデルになります。

注目のテクノロジー2:リアルタイムコンピューティング

「リアルタイムコンピューティング」とは、エッジコンピューティングとも呼ばれ、データの加工や分析をネットワークの末端にあるIoTデバイス(エッジ)、あるいはその周辺に配置したサーバーで行い、加工や分析されたデータのみをクラウドに送信するものです。

従来のクラウドコンピューティングでは、クラウド上で全ての情報を集約・データ処理を行っていましたが、データの量が膨大になることでネットワークに負荷がかかり、通信に遅延が生じる事象が生じています。

リアルタイムコンピューティングは、ネットワークの負荷をかけずにデータを有効に取り扱えるというメリットがあり、IoTや5Gの普及によって、より需要が高まる技術になると言えます。

2023年、企業が戦略的にテクノロジーをビジネス活用するには

2023年、企業が戦略的にテクノロジーをビジネス活用するには

最後に、GartnerとCounterpointが共通して重視するテクノロジーを解説し、企業が今後意識するべき取り組みについて考察します。

持続可能性(サステナビリティ)を意識する

Counterpointによると、人類は地球の資源を生物学的補充能力の1.75倍の速さで消費し続けているとしています。※ 

そのため、企業は資源の効率的利用や再生可能エネルギー、そしてサステナビリティを向上するためのITソリューションを提供するといった取り組みが求められます。

例えば、AI技術を用いて製造工程のプロセスを見える化し、効率性の改善や二酸化炭素削減のための糸口発見を試みることも有効といえます。

※引用元:AI, Digital Twins, Real-time Compute Emerge as Top Technology Trends for 2023|Counterpoint

セキュリティ対策にはゼロトラストを

あらゆる業界でDXやAI技術、仮想通貨やDeFi(分散型金融)、NFT、そしてメタバースといったWeb 3.0の活用が進む中、セキュリティ対策は全ての組織で最重要項目となります。

近年では、1つのプラットフォームでセキュリティ機能とネットワーク機能を一元的に管理・運用ができる開発環境「SASE(サシー)」のほか、認証を受けた特定のユーザーやデバイスのみをアクセス可能にする「ゼロトラスト」が注目されています。

リモートワークの普及やクラウドサービスの活用の増加でエンドポイントが多様化していく中、企業は上記のように高レベルなセキュリティ対策を行う必要があります。

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AI技術の積極的なビジネス活用

ChatGPTのようなアダプティブAIは、マーケティングやエンターテインメント、ソフトウェア開発、そしてメディアなど多様な業界で活用されています。

実際に、神奈川県の横須賀市役所は、自治体として初めてChatGPTを全庁的に活用する取り組みを進めており、文章の作成や要約、誤字脱字のチェック、そしてアイデア創出などに役立てていくとしています。

今後は、業界を問わずAI技術を活用し、社会に新しい価値を生み出す取り組みが求められると予想されます。

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まとめ

2023年のテクノロジートレンドから読み解く!戦略的なITの活用法とは まとめ

2023年のテクノロジートレンドと戦略的なITの活用法についてまとめると、最先端のAI技術を活用し、コストを抑えてビジネス価値を迅速に提供すること、そして持続可能性と高度なセキュリティ対策を意識した取り組みが、企業の成長を加速させると言えます。

Gartnerが発表した「10の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」によると、最適化や拡張、開拓という3つのテーマのもと、「デジタル免疫システム」や「プラットフォーム・エンジニアリング」、そして「アダプティブAIシステム」などを含む10の技術がトレンド入りしています。

また、Counterpointが発表した「2023 年のテクノロジートレンドトップ10」によると、IoTとAI、ブロックチェーンが合体した「ABIoT」や、「リアルタイムコンピューティング」などが挙げられています。

企業がIT技術を戦略的にビジネス活用するには、次の3つを意識するとよいでしょう。

・持続可能性(サステナビリティ)を意識する
・セキュリティ対策にはゼロトラストを
・AI技術の積極的なビジネス活用

ぜひ、自社のビジネスを成長させるために、どのようなテクノロジーが活用できるのかを検討してみてください。

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