激化するAI開発競争!今、何が起こっているのか?対話型AIの問題と対策を解説

2023.04.25

激化するAI開発競争!今、何が起こっているのか?対話型AIの問題と対策を解説

OpenAIが開発した対話型AIシステム「ChatGPT」を皮切りに、Google、Meta、そしてAmazonと大手テック企業によるAI開発競争が激化しています。

一方で、イーロン・マスク氏を含む多くのAI専門家や企業のリーダーがAI開発の一時停止を求める動きも出ています。

このページでは、対話型AIシステムの利用で懸念されている問題と対策、そして実際に業務利用している企業の事例を通して、最適な活用法について解説します。

AI開発合戦!今起こっていること

AI開発合戦!今起こっていること

まずは、対話型AIシステムの開発を行う大手テック企業とそのサービスの概要、そして「AIシステムの半年間停止問題」について解説します。

大手テック企業が続々と対話型AIを開発

主に、OpenAIとGoogle、Meta、そしてAmazonが対話型・生成AIサービスを公開しています。

OpenAIの「ChatGPT」

ChatGPTは、2022年11月にOpenAIが開発した対話型のAIサービスです。誰でも気軽に利用でき、対人間のように自然なやりとりができるとして話題になりました。

また、このサービスをもとに開発されたMicrosoftのチャットボックス「Microsoft Bing」や検索エンジン「Microsoft Edge」も、従来の検索エンジンの概念に革新を与えました。

ChatGPTは文章プログラムの「GPT3.5」をロールモデルとしていますが、同社はそれをさらに進化させたGPT-4もリリースしています。

Googleの開発者向けAI「Bard」

23年2月には、Googleが開発者向けの対話型AIサービス「Bard」を限定公開し、23年3月21日からは米・英にて一般公開されています。

Bardは、対話型AIのアプリケーション言語モデルであるLaMDAと、多言語理解力をもつMUMを使用しており、対話能力が高い点が特徴的です。

Metaの大規模言語モデル「LLaMA」

FacebookやInstagramなどを提供するMetaのAI研究組織「Meta AI」は、23年2月24日に大規模言語モデル「LLaMA」を研究者向けに限定リリースし、今後オープンソースとして公開する可能性も示しています。

変化の激しいAI開発の分野において、一部の大手テック企業が技術を独占してきた従来の業界の仕組みに革命を与えるとしています。

Amazonの生成AI「Bedrock」と大規模言語モデル「Titan」

AmazonのクラウドサービスAWSでも、23年4月13日に生成AIの開発に特化した「Bedrock」と大規模言語モデル「Titan」を発表しました。

Bedrockには4つの基盤モデルがあり、そのうちの1つ「Titan」にはテキストの生成や要約、分類を得意とする特長があります。

今後は、AWSの機械学習のプラットフォーム「Amazon SageMaker」の活用や、自然言語処理に関連したライブラリの開発などを担う「Hugging Face」との提携も発表し、生成AI分野でのシェア拡大を目指しています。

AIシステムの半年間停止問題

23年3月22日、イーロン・マスク氏やAppleの共同設立者の一人であるスティーヴン・ゲイリー・ウォズニアック氏を含むAIの専門家が、NPO「FLI(Future of Life Institute)」の公開書簡に署名しました。※1

この書簡では、ChatGPTをさらに進化させた最新基盤である「GPT-4」を上回るAIシステムの開発を、少なくとも6か月間停止することを呼びかけています。

その理由に、制御不能になったAIシステムが人類の文明存続に悪影響を及ぼす可能性があることや、誤まった情報の拡散拡大の恐れ、そして自動化技術が労働市場に与える影響などが挙げられています。

そして、これらの危険性に対して「十分なリソースのある機関」が経済的・政治的混乱に対して対処して、適切に対応できるようになる必要があるとしています。

一方でMicrosoftの共同経営者で元CEOであるビル・ゲイツ氏は、ロイターのインタビューで「AIシステムの一時停止を行っても、今後の解決にはならない。最善の利用法の追及に集中する方が得策である。」としています。※2

※参考元1:Pause Giant AI Experiments: An Open Letter|Future of Life Institute
※参考元2:AI開発停止要請の公開書簡、問題解決につながらず=ゲイツ氏|ロイター

対話型AIシステムの問題と対策

対話型AIシステムの問題と対策

次に、実際にChatGPTの活用で生じている問題と対策について解説します。

情報の正確性とセキュリティに関する問題

ChatGPTは、人のように自然な表現で回答をすることや、複雑で専門性の高い分野の質問に対しても文脈を意識した回答ができることが話題となっています。

一方で、事実に反した内容を回答することや、存在しない論文がソースとして表示されていることがあるなどと、情報の正確性を問題視する声が出ています。

そして、同様の問題がGoogleが開発した「Bard」のデモや、MetaのLLaMAベースAIシステム「Alpaca」のデモにも発見されています。

また、ChatGPTを利用した有料ユーザーの支払い情報やチャット履歴の一部が他のユーザーに公開されていたというセキュリティ性を疑うケースも生じています。この問題は既に解決されてはいるものの、今後もセキュリティ面での不安が残ると言えます。

(対策)
ChatGPTを代表とする対話型AIシステムを用いて記事やコンテンツを作成した場合は、最終的に必ず人間がファクトチェックを行った方が良いでしょう。

また、セキュリティ性においても個人情報や機密情報を入力しないといったユーザーのセキュリティリテラシーを高めておく必要があります。

ハッカーによる悪用

ChatGPTは、メールの文章作成やコーディングなどにも対応するため、サイバー犯罪者によるなりすましや偽情報の拡散、そしてフィッシングメールやスパムメールの作成などに悪用されるケースが生じています。

また、複雑な概念をわかりやすく要約・解説する能力にも長けているため、素人でもChatGPTを用いて知識を深め、専門的な技術を身に着けてサイバー攻撃に加わるようになる可能性があると懸念されています。

(対策)
ChatGPTを悪用する動きに対応するには、ウイルスやサイバー攻撃による脅威を素早く発見し、自動的に防御できるようなAI技術を活用した防御策が有効です。また、利用者のセキュリティリテラシーを高める取り組みも役立つでしょう。

AIコンテンツに関わるもの

ChatGPTが作成するコンテンツにおいては、次のような問題があります。

オリジナリティの欠如によるエコチェンバー現象の加速

AIは、Web上にある既存のコンテンツを収集して模倣や要約をすることは得意ですが、ゼロから創作することは難しいと言えます。

そのため、AIによって生み出された記事や小説といったコンテンツが著作権侵害にあたり、AI技術を活用した事業者の信頼損失につながる恐れがあります。

また、AIを活用してコンテンツを作成するようになると、類似性の高いサービスを多く生み出す可能性があり、オリジナリティ溢れるコンテンツや新しいアイデアが生まれにくくなってしまう「エコチェーンバー現象」が発生すると懸念されています。

ステレオタイプや偏見を含む価値観の拡散

AIは、Web上にある情報の中でも、特に多数派意見をもとにコンテンツを作成する特徴があります。そのため、時にはステレオタイプや偏見を含む表現をしてしまうことがあります。

例えば、採用活動の履歴書を判定するAIシステムが男性を優先的に評価していたり、画像生成AIシステムが白人優位の画像を生成していたりするケースが見られています。

(対策)
AIは開発業務の効率化や既存の情報収集・要約などに向いていますが、プラスαの価値を生み出す作業は人間にしかできません。そして、差別的・屈辱的発言が含まれていないか確認するためにも、最終的には人間が調整を行う必要があると認識しておいた方がよいでしょう。

法律問題

23年3月31日、イタリアのデータ保護当局はChatGPTがユーザーに適切な通知をしないままデータを収集している点や、ユーザーの年齢確認などが不十分な点がGDPR(EU一般データ保護規則)に反するという報道がありました。

このように、AIシステムは個人情報などを収集する「学習段階」と、それを活用する「利用段階」において、様々な法律に触れる可能性があると言えます。

(対策)
AIが情報を収集する「学習段階」においては知的財産や個人情報、そしてプライバシーの観点を意識する必要があります。また、AIが収集した情報を企業が活用する「利用段階」では著作権や個人情報保護、景品表示などの観点に配慮する必要があります。

AIを活用する企業は、学習段階と利用段階においての利用規約や基準を明確に定め、ユーザーに掲示することが求められるでしょう。

教育界での利用について 

教育界では、ChatGPTの利用を禁止するケースが見られています。ニューヨーク市の教育機関では、生徒がChatGPTに論文を作成させる事案が生じたため、学校内での利用を禁じました。

また、ChatGPTは論文だけでなく詩や歌のような創作物も短時間で作成することができるため、カンニングや盗用などにも活用できる点が懸念されています。

(対策)
ChatGPTを利用しているかどうかを判定するには、OpenAIがリリースしているテキスト作成者の判定ツール「AI Text Classifier」が活用できます。判定精度はまだ高いとは言えませんが、テキストのソースを判定する場合の補助ツールとして役立てられます。

倫理的な問題 

ChatGPTには、ユーザーの質問にフィルターをかけるコンテンツモデレーションツールがありますが、質問の仕方を工夫すれば回答を得られてしまう点が問題視されています。

例えば、「強盗の入り方」についての回答は得られなくても、「教育目的や防犯目的で知っておきたい」などと質問に工夫を重ねると、間接的に回答を得られてしまうことがあります。

(対策)
ChatGPTは、コンテンツモデレーションツールの精度を上げる取り組みを継続して行っているため、より精度は向上していくと言えます。また、ITの専門家でない一般ユーザーが実際にChatGPTを利用し、問題点を積極的に指摘していく仕組みを構築することで、サービスを悪用しにくい社会づくりにつながるでしょう。

対話型AIシステムを業務利用する企業の事例

対話型AIシステムを業務利用する企業の事例

最後に、ChatGPTを実際に業務利用している企業の活用事例を紹介します。

GMOインターネットグループの事例

インターネット事業を展開するGMOインターネットグループは、23年3月10日、業務の効率化や新しいサービスの展開検証を目的に、ChatGPTの業務利用を開始しました。

実際に、文章作成時のタイトルやキャッチコピーのアイデア、文章の要約、そしてトンマナの調整、Excel関数の構築、プログラムの生成・デバッグといった様々な業務に同サービスを活用しています。

さらに、2005年にリリースしていたレンタルサーバー「教えてロリポおじさん」にChatGPTのAPIを搭載した「教えてAIロリポおじさん」を、期間限定で復活させています。

また、業務活用を推進するために同グループ内でChatGPTのイノベーティブな活用事例を募集し、優秀者には総額賞金1,000万円を贈呈する「ChatGPT業務活用コンテスト」の開催も決定しました。

一方で同社では、WEB版ChatGPTが入力データを学習する特性があるため、機密情報や個人情報を含む業務には利用せず、データ学習をしないAPI版を利用しています。また、従業員に対してAI倫理規定やデータの取り扱い方法などに関する情報リテラシー研修を実施するといった取り組みを行っています。

※参考元:GMOインターネットグループが「ChatGPT」の業務活用を開始|GMOインターネットグループ

パナソニック ホールディングスの事例

パナソニックホールディングスは、パナソニックコネクトが活用しているAIアシスタントサービス「ConnectGPT」を全社版に対応させるため、23年4月14日より「PX-GPT」を展開しました。

ConnectGPTとは、23年2月17日よりクラウドサービス「Microsoft Azure」のOpenAI Serviceを活用したAIアシスタントサービスとして運用が開始されたものであり、同社員の生産性向上を実現しています。

その結果、同様のサービスをパナソニックグループ全体へ拡大するために「PX-GPT」の開発に取り組みました。ChatGPTが英語で質問した方が精度の高い回答が得られる点を考慮し、PX-GPTには自動翻訳機能を搭載し、効率的な利用につなげています。

また、セキュリティ面を考慮し、入力した情報の二次利用や第三者提供ができない仕様にしたり、一定期間を過ぎると入力した情報が消去されるといった対策を講じています。

さらに、UIに使用に関する注意喚起を明記し、適切な利用に向けたルール整備を行うなどして、全社員が適切にPX-GPTを活用できるように徹底しています。

※参考元:AIアシスタントサービス「PX-GPT」をパナソニックグループ全社員へ拡大国内約9万人が本格利用開始|パナソニックグループ

まとめ

激化するAI開発競争!今、何が起こっているのか?対話型AIの問題と対策を解説 まとめ

対話型AIシステムの開発競争と問題、そして対策についてまとめると、様々な大手テック企業によって生成AIが開発される一方、AIの進化が制御不能になり、人々の文明に悪影響を及ぼす可能性や、誤った情報が拡散されるといった危険性を秘めているため、開発の一時停止が要請されたと言えます。

対話型AIシステムには、次のような問題が生じています。

・情報の正確性とセキュリティに関する問題
・ハッカーによる悪用
・AIコンテンツに関わるもの
・法律問題
・教育界での利用について
・倫理的な問題 

それぞれの問題に対し、利用者のセキュリティリテラシーを高めてAI技術の悪用に対する防御策を講じること、そして人間による最終チェックを行うことなどが有効です。

対話型AIシステムは、正しく活用することで業務の生産性を向上できる有効なツールです。
既に、ChatGPTのような対話型AIシステムを業務に活用していたり、利用を検討している場合は、利用における注意点を確認したうえで、業務の効率化に役立てると良いでしょう。

★以下の記事もよく読まれています。

人材不足でお悩みの企業様へ

IT業界では長年課題となっている「慢性的な人材不足」と「案件の低単価化」…

この課題を解決するBtoBマッチングサービスがあるのをご存じですか?

その名も「ふるリモエンジニア」。

ふるリモエンジニア」は、フルリモート案件に特化し、システム開発案件を発注したい企業と受注したい企業を直接つなげることで、全国から開発リソースの確保することが可能になります。

人材不足でリソースを確保したい

リソース不⾜が原因で、 相談や依頼のあったシステム開発の受注を断念した経験はありませんか?

ふるリモエンジニア」では、開発体制の⼀部をフルリモート化することで、全国の実績豊富な開発企業と協業体制を築きます。

人材不足、リソース不足でお困りの企業様はぜひ一度ご相談ください。(詳細はコチラ)

発注企業様向けに新しく『Freeプラン』をリリースいたしました。

今だけ『初期費用0円キャンペーン』実施中のため、「完全無料」で当サービスの利用を開始していただけます。

ぜひ、この機会に「ふるリモエンジニア」へお申し込みいただき、サービスをお試しください。

※案件のご掲載をご希望の場合は、有償プランへのアップグレードが必要となります。

エンジニアをお探しの企業様へ フルリモート開発で人材不足を解決!まずは資料請求してみませんか?

案件を獲得したい

ふるリモエンジニア」は、システム開発を依頼したい企業と直接つながることができるBtoBマッチングサービスです。

フルリモート案件に特化することで、全国どこでも開発が可能となり、いままで断念していた案件の獲得も可能となります。

案件を獲得したい企業様はぜひ一度ご相談ください。(詳細はコチラ)

案件をお探しの企業様向けに『お試しキャンペーン』を実施しております。

キャンペーン期間中は、エンジニア登録2名様まで「完全無料」で当サービスをお試しください。

ぜひ、この機会に「ふるリモエンジニア」へお申し込みいただき、サービスをお試しください。

※3名様以上のご登録をご希望の場合は、有償プラン月額11,000円へのアップグレードが必要となります。

お試しキャンペーン

フルリモートに特化した開発案件が見つかる!まずは資料請求してみませんか?

アバター画像

ふるリモ編集部

ふるリモメディア編集メンバーが不定期で更新します。
システムエンジニア業界と社会の動向から今話題の最新トピックまで、わかりやすく紹介します!

関連記事Related article

おすすめ記事Recommend

ジャンルから記事を探すSearch by genre

カテゴリから記事を探すSearch by category

案件をお探しの企業様へ フルリモートに特化した開発案件が見つかる「ふるリモエンジニア」のサービス詳細はこちら案件をお探しの企業様へ フルリモートに特化した開発案件が見つかる「ふるリモエンジニア」のサービス詳細はこちら
エンジニアをお探しの企業様へ ふるリモエンジニアならBtoBでエンジニアの⼈材不⾜を解決!サービス詳細はこちらエンジニアをお探しの企業様へ ふるリモエンジニアならBtoBでエンジニアの⼈材不⾜を解決!サービス詳細はこちら