トータルエクスペリエンス(TX)とは?4つの構成要素と高める方法を解説

2023.03.06

トータルエクスペリエンス(TX)とは?4つの構成要素と高める方法を解説

リサーチ会社ガートナーが行った「2022年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」によると、「成長を加速する」というカテゴリで「トータルエクスペリエンス」が選ばれ、企業の成長につながる戦略として注目されています。

このページでは、トータルエクスペリエンスの概要と4つの構成要素、そして注目される理由と向上させる取り組みについて解説します。

※引用元:Gartner|Gartner、2022年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表

トータルエクスペリエンス(TX)とは

トータルエクスペリエンス(TX)とは

まずは、トータルエクスペリエンスの概要と4つの構成要素について解説します。

トータルエクスペリエンスとは

トータルエクスペリエンスとは、TXと略され、ユーザーエクスペリエンス(UX)とカスタマーエクスペリエンス(CX)、エンプロイーエクスペリエンス(EX)、そしてマルチエクスペリエンス(MX)の4つを融合させて総合的に取り組む戦略です。

ビジネスに関わる顧客やユーザー、そして従業員に良質な体験を提供することで、企業の成長を目指すものです。

トップ・トレンドにTXが仲間入りした理由

ガートナージャパンは、「ビジネスで変革をもたらすにはトータルエクスペリエンスとコンポーザブルビジネスが不可欠」という見解を示しています。※

コンポーザブルビジネスとは、ビジネス部門とIT部門が協力してシステム開発に取り組むスタイルを指します。堅牢さを追及してきたモノリシックなシステムと比較される言葉であり、ニーズの変化に柔軟に対応する必要が生じていることから注目を集めています。

この見解を示した理由は、同社が2021年8月に行った「国内企業に勤める従業員及び経営者に行った他社との競合環境についての調査」を見てみると、「ビジネスをさらに発展させるために重視すべきこと」として次の3つの項目が上位に挙がったことにあります。

ビジネスを発展させるために重視すべきこと

「従業員の士気や満足度を高める」取り組みにはEXが該当し、「顧客満足度を高める」ためにはUXやCXを高める取り組みが該当します。
そして、「非効率な業務を廃止または改善する」取り組みには、様々なIT技術を活用して業務の効率化とデータの積極的な活用を追及するMXが該当すると言えます。

このように、EXとUX、CX、そしてMXの4つのエクスペリエンス戦略は、全てを包括的に取り組むべきという見方が強まっているため、TXが注目されていると言えます。

※引用元:Gartner|Gartner、デジタル・テクノロジを活用したビジネス変革ではトータル・エクスペリエンスとコンポーサブル・ビジネスが不可欠との見解を発表

TXの4つの構成要素

ここで、TXを構成する4つのエクスペリエンスが重視されている現状と、向上させるメリットを解説します。

ユーザーエクスペリエンス(UX)

UXとは、ユーザーが商品やサービスを利用して得られる体験を指し、例えば「サイトで商品の検索して購入するまでのスムーズさ」や「商品そのものの使いやすさ」、また「実店舗での店員とのやりとり」などが挙げられます。

ECサイト一つをとっても、UXでは情報の探しやすさや良いデザインであること、またページの表示速度やサポート窓口の対応など複数のフェーズが存在し、それぞれでユーザーがどのような感情を抱くかを重視します。

UXに注力することで自社の商品やサービスに根強いファンを獲得でき、安定的な収益基盤となるだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。

カスタマーエクスペリエンス(CX)

CXは、ユーザーが商品やサービスを利用したときの顧客体験を指します。例えば、購入前に受ける接客や商品の問い合わせ対応、そして購入後の使用感やアフターサービスといった、購買行動に伴う一連の体験が全て評価の対象になります。

UXと似ていますが、UXを積み重ねた結果がCXになると言えます。
例えば、ECサイトで商品を購入する場合、サイトの使いやすさや商品そのものが良くてもサポート窓口の対応が悪ければ、総合的に見て悪い印象となり、CXが下がってしまうでしょう。

UX同様に、CXを向上させることでリピーターの獲得や競合との差別化につながり、顧客ロイヤリティ(商品への信頼や愛着)の向上にもつながると言えます。

エンプロイーエクスペリエンス(EX)

労働人口の減少や人材市場の流動化により、近年特に注目されているのがEXです。EXは、従業員の労働環境や待遇だけでなく、キャリアプランの形成など従業員が働くうえで体験するあらゆる事柄を指します。

従来、UXやCXの向上に注力するあまり、従業員の負担が増えてしまうことは見過ごされていました。その結果、一時的にUXやCXが向上しても長続きせず、従業員の離職につながるケースも増える事態が生じました。

EXにも注力することで生産性向上につながり、従業員の離職を防ぐだけでなく、企業のイメージアップによって優秀な人材を呼び込むきっかけにもなります。

マルチエクスペリエンス(MX)

ここで言う「マルチ」とは様々なIT技術を指し、MXとはWebサイトからモバイルアプリのほか、チャットボットやIoT技術、そして拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用して得られる総合的な体験を言います。

例えば、あるデリバリーサイトではユーザーがWebサイトだけでなく、SNSや手持ちのスマートスピーカーなど様々なデジタルデバイスを通じて注文することができ、「配達トラッカー」で配達状況を追跡できるようなシステムが利用されています。

このように、MXを高めることで人々の生活の利便性を高め、革新的な価値を提供できると期待されています。

TXが重視される理由

TXが重視される理由

TXが重視される理由には、社会情勢やIT技術の進化が挙げられます。

TXが重視される理由①:企業間競争の激化によりステークホルダーへの付加価値が求められる

ステークホルダーとは、ビジネスに関わるユーザーや従業員を含めた全ての人を指します。
モノやサービスの品質や価格に差がなくなる「コモディティ化」が進んでいる今、企業が競合他社と差を付けるには、ユーザーに付加価値を提供する必要があります。

また、企業は従業員に対しても「自社で働くことで得られる付加価値」、つまりキャリア形成に役立つといったメリットを提供できなければ、優秀な人材が転職してしまうというリスクを抱えています。

このことから、従業員の士気を高めながらユーザーに高品質なサービスや革新的な商品によって付加価値を提供する必要が生じているのです。

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TXが重視される理由②:新型感染症の拡大

新型感染症の拡大により、企業を取り巻く環境は大きく変化しました。多くの企業がリモートワークを取り入れただけでなく、サービス業界ではユーザーに直接サービスを提供することが難しい場面も増えました。

その結果、企業は対従業員・対ユーザーとのコミュニケーションの機会が減り、互いの関係性を維持する工夫として、IT技術の活用も含めたTXに注力する必要が生じたと言えます。

TXが重視される理由③:IT技術の進化

IT技術は急速に進化しており、先端技術を活用した革新的なサービスが次々と登場しています。例えば、メタバースを活用したサービスの一つにメタバースオフィスがあります。メタバースオフィスで勤務することで、従業員はリモートワークであってもオフラインのようにコミュニケーションを取ることができます。

また、スマートAIの機能をさらにアップデートさせたChatGPTは、専門家のような知識を有する自然言語処理ツールであり、業務の効率化に役立つと期待されています。

そして、それらを利用するユーザー側もアップデートしていて常に革新的な商品やサービスを求めているため、企業はUXとCX、EX、そしてMX全てのエクスペリエンスを向上させる包括的な取り組みが不可欠と言えます。

TXを向上させるには

TXを向上させるには

最後に、企業がTXを向上させるためのポイントについて解説します。

TXを向上させるポイント①:社内の連携体制を整備する

TXを向上させるには、社内で管理しているデータを部門の壁を超えて管理・活用できるように脱サイロ化し、相互に連携できる体制を整備する必要があります。また、必要に応じてクライアントやユーザーとシームレスにコミュニケーションが取れるような仕組みを整えたり、業務フローの改善を行ったりする必要もあります。

TXを向上させるポイント②:4つの要素をバランス良く高める

TXを構成する4つのエクスペリエンスは、バランス良く高めていく必要があります。

UXを高める取り組み

UXを高めるには、ユーザーの状況や本当のニーズを正しく理解するためにペルソナ設定や顧客分析を行います。それには、ユーザーが製品を認知する前の段階からどのような体験をし、どのような思考をしているのかを時系列で管理するツール「カスタマージャーニーマップ」が役立ちます。

その後ユーザーになりきって製品やサービスを利用し、感じたことや改善すべきところを記録する「ヒューリスティックマークアップ」を活用することで、UXを高めるためにどのような取り組みが必要なのかが可視化できます。

CXを高める取り組み

CXもUXと同様に、ユーザーの心理に基づいた施策をする必要があります。
顧客の情報を管理しているCRMツールをもとにユーザーの状況を分析し、カスタマージャーニーマップを活用してユーザーの感情や行動、そして課題を細かく分析していきます。

EXを高める取り組み

EXを高めるには、従業員の労働環境や待遇を見直すだけでなく、企業への満足度を高める取り組みが必要です。

例えば、従業員サーベイやメンター制度を行い、従業員の不安や不満に対応するほか、社内SNSやITツールを活用したレコグニション(従業員の功績や活躍を認め、称賛する制度)を導入し、評価の仕組みを整えることも有効です。

MXを高める取り組み

様々なIT技術を一つずつ導入するのが難しい場合は、Webサイトやモバイルアプリ、チャット機能、IoT、そしてARアプリケーションなどマルチエクスペリエンスの実現に役立つ機能を搭載したマルチエクスペリエンス開発プラットフォームを活用できます。

ガートナーが発行した「2021年マルチエクスペリエンス開発プラットフォーム分野のマジッククアドラント」でリーダーに認定されたSAPは、革新的なAIサービスやAPI、事前構築済みの統合機能などを備えた開発ソリューションを提供しているとして注目されています。

自社に最適なIT技術がわからない場合や、専門人材が不足していてMXが進まないという場合には、こういったプラットフォームも検討してみると良いでしょう。

※参考元:SAP|SAP、ガートナー社の2021年マジッククアドラントで マルチエクスペリエンス開発プラットフォーム(MXDP)分野のリーダーに認定

まとめ

トータルエクスペリエンス(TX)とは?4つの構成要素と高める方法を解説 まとめ

トータルエクスペリエンス(TX)についてまとめると、ビジネスに関連する4つのエクスペリエンスを融合させて総合的に取り組む戦略と言えます。

TXを構成するエクスペリエンスには、次の4つがあります。
・ユーザーエクスペリエンス(UX)
・カスタマーエクスペリエンス(CX)
・エンプロイーエクスペリエンス(EX)
・マルチエクスペリエンス(MX)

これら4つのエクスペリエンスを包括的に高める取り組みが必要と言えます。

そして、TXが重視される理由には、次の3つが挙げられます。
・企業間競争の激化
・新型感染症の拡大
・IT技術の進化

TXを向上させるには、データを有効に活用するために社内の連携体制を整備し、ツールを活用しつつ、4つのエクスペリエンスをバランスよく高める必要があります。

ぜひ、自社でTXを高めるにはどのような取り組みが必要なのか検討してみてください。

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