IoB(行動のインターネット)とは?活用事例と課題|企業が実現するには

2023.02.27

IoB(行動のインターネット)とは?活用事例と課題|企業が実現するには

「モノのインターネット」であるIoTで収集したデータから人々の行動を分析し、新たなサービスの開発に役立てるIoB。

IoBには「Internet of Behavior(行動のインターネット)」と「Internet of Bodies(身体のインターネット)」の2つがあり、人々の生活に革新を与えるものとして注目されています。

このページでは、2つのIoBの概要と注目されている背景、そして活用事例について解説します。また、企業がIoBを実現していくにはどのような課題があり、どのような取り組みが求められるのかについても言及します。

2つのIoBー特徴と注目されている理由

2つのIoBー特徴と注目されている理由 

まずは、2つのIoBの特徴とIoBが注目を集めている理由を解説します。

IoB(行動のインターネット)

「Internet of Behavior(行動のインターネット)」は、様々なIoTから得られるデータを収集して心理学の観点から行動パターンや関心事を分析し、人々の生活に革新を与えるサービスを開発することを目的としています。

例えば、SNSやwebサイトの閲覧履歴、クレジットカードの購買行動などからユーザーの行動パターンを分析し、ユーザーに適したサービスの開発を行うビジネスが挙げられます。

IoB(身体のインターネット)

「Internet of Bodies(身体のインターネット)」は、人々が身に着けたIoTデバイスを通じて、身体の状態を把握することを目的としています。

具体的には、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスから得られる脈拍や心拍、睡眠サイクルなど身体のデータを指し、主に健康・医療の分野で活用されています。

IoTと2つのIoBの関係性は

調査会社Fortune Business Insightsが行った「IoTに関する調査」※によると、ヘルスケアにおけるIoT市場は拡大し続けており、2028年までには4465億2000万ドルまで成長すると予測されています。

IoB(身体のインターネット)は、IoTデバイスを通して人の睡眠パターンや生活リズムとともに血糖値のような生体情報を測定することで、その人の健康管理ができます。

また、そのような身体に関するデータをもとに最適な製品やサービスを予測・販売し、生活の質を改善することができれば、IoB(行動のインターネット)の実現となります。

このように、健康状態は人の行動にも影響を与えることから、身体のインターネットと行動のインターネットは互いに関連し合う要素であり、今後ますます成長する市場であると言えます。

※引用元:Fortune Business Insights|Hardware&Software IT Services/Internet of Things(IoT) in Healthcare Market

IoB(行動のインターネット)が注目される理由

IoB(行動のインターネット)が注目されている背景には、主に次の2つがあります。

新型感染症の影響

米国の調査会社ガートナーが行った「2021年の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」※ではIoBがトップに選出されており、その理由の一つが新型感染症の拡大とされています。

感染拡大を防ぐ取り組みとして、多くの施設ではカメラに顔を映すだけで発熱しているかがわかる熱感知システムや、マスクをしていても顔を認識するシステムが導入されました。また、接触確認アプリでは、GPSによる位置情報を提供することで感染経路を探ることを可能にしました。

このような「顔認証技術」や「GPSによる位置情報の取得」は、IoBの代表的な活用事例であり、新型感染症の拡大によって急速に注目を集めることになりました。

※引用元:ガートナー|2021年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド

ユーザーのニーズの変化

現在は「VUCA時代」と言われるように、IT技術の進歩だけでなく、ビジネスや個人のキャリアなど、ありとあらゆる事柄が流動的で複雑化しています。

企業がユーザーのニーズに寄り添ったサービスを開発するには、人々の行動をリアルタイムで把握するIoTデバイスを活用し、IoB(行動のインターネット)実現に取り組む必要があると言えます。

IoB(行動のインターネット)の活用事例

IoB(行動のインターネット)の活用事例

IoBは、様々な場面で活用されています。

IoBの活用事例1:顔・静脈認識システム

顔・静脈認識システムは、顔の特徴や手のひらの静脈を認証データとして活用する技術であり、様々な場面で活用されています。

防犯対策と出退勤管理

顔・静脈認証システムは、教育機関や製造工場といった施設のほか、家庭の防犯対策としても使われています。また、小売店では万引きの可能性がある人物が来店した際の警告システムなどにも活用されています。

さらに、オフィスや学校、保育園などにおいて出退勤・出欠管理として認証システムを活用することもできるため、人員管理のツールとしても役立っています。

来店客の把握やレジなし会計

小売店では、画像認識を用いて来店者の顔認証を行い、性別や年齢などの属性と商品の購買指向を分析するほか、店内の混雑度を把握する機能としても役立てています。

さらに、クレジットカード情報などを事前に登録した顧客が店頭で画像認証を行えば、レジを通さず会計を済ますことができるというシステムも誕生しており、レジに並ぶ手間を大幅に削減できる仕組みとして活用が進んでいます。

IoBの活用事例2:GPSによる位置情報取得

GPSによる位置情報がビジネスに活用できる例として、自動車関連ビジネスが挙げられます。

例えば、ある自動車保険では、ユーザーの走行距離や運転特性によって保険料が決まる仕組みを考案し、よりパーソナライズした保険料の設定を可能にしています。

また、タクシー利用アプリでは、GPS機能や決済システム、そして評価制度を導入することでユーザーの満足度向上を実現しています。

ユーザーは位置情報を提供することで近くのタクシーを呼ぶことができ、乗車後の支払いもアプリで完結させることができます。さらに、アプリには運転手の評価システムも搭載しているため、運転手のサービス向上にもつながります。

IoBの活用事例3:ソーシャルメディア

オンライン広告は、ユーザーのWebサイトの検索履歴といったデータをもとに、最適な商品を届けるIoBの一例と言えます。

例えば、Googleはクリック率を計測することで、ユーザーの関心や購買行動を推測しています。この仕組みにより、企業はパーソナライズした商品を効率的に販促することができ、広告にかける費用を最小限に留めて利益につなげることができます。

一方で、ユーザーは望む商品を最適なタイミングで購入することができるため、両者にメリットがあると言えます。

企業がIoBを実現するにはーIoBのフェーズと課題

企業がIoBを実現するにはーIoBのフェーズと課題

最後に、IoBが実現するフェーズと残されている課題、そして企業ができる取り組みについて解説します。

IoBは3つのフェーズを経て実現する

IoBは、「ウェアラブル(定量化)」「体内化」「ウェットウェア」の3つのフェーズを経て実現します。

1:ウェアラブル(定量化)

最も手軽で、身近なIoBデバイスが「ウェアラブルデバイス」です。具体的には、スマートウォッチやスマートグラス、ウェアラブルスピーカーなどがあります。

ユーザーは、これらのデバイスを身に着けることで、連携させたスマートフォンのコントローラーとして利用することができ、かつ生体情報を提供することでさらなるサービスを享受できます。

2:体内化

ウェアラブルデバイスよりさらに踏み込んだIoBデバイスが、体内に埋め込む「体内化」です。例えば、心臓ペースメーカーや義足にICチップを埋め込み活動量を計測するものが挙げられます。体内化により、ユーザーは高い生活レベルを維持することができます。

3:ウェットウェア

体内化からさらに踏み込んだIoBデバイスが、脳に埋め込む「ウェットウェア」です。
ウェットウェアとは、脳が常に血液で濡れていることが語源とされています。
例えば、交通事故などで脳に損傷を受けた人の回復や、脳の可能性を広げるツールとして活用できると期待されています。

現在は倫理的な観点で実現が難しく活用には至っていませんが、今後人々の生活をより豊かにする手段になるものとして研究が進められています。

IoBに秘められているリスクと課題

IoBには、次のようなリスクが残されています。

情報漏えいやサイバーテロなどのセキュリティ問題

IoBは、全てがインターネットでつながる巨大なデータベースと言えます。そのため、セキュリティ対策に抜け漏れがある場合は、情報漏えいや不正アクセス、そしてハッキングのようなサイバーテロの被害を受けるリスクを秘めています。

将来的に脳にIoBデバイスを埋め込むウェットウェアが普及した場合に、セキュリティ対策を徹底できていなければ、ありとあらゆる個人情報が危険にさらされてしまうでしょう。

プライバシー保護の問題

IoBは、ユーザーの生体情報から購買行動、位置情報まであらゆる情報を提供するシステムです。そのため、企業はユーザーの許可なくそういったデータを収集することは許されません。
しかし、実際はユーザーの知らないところで情報が外部企業に提供されているケースも少なくなく、プライバシー保護の観点で課題は残ると言えます。

IoB機器やネット回線の不具合による損害の責任

IoBは、ネット回線があることを前提に成り立つサービスのため、災害などが原因で回線に不具合が生じてしまうと、サービスが停止してしまう恐れがあります。

また、厳重にチェックを行っていても、デバイスの経年劣化や急なトラブルは避けられません。それが体内に埋め込んでいるIoBデバイスの場合、命の危機に直結する可能性もあります。

そして、故障によって生じた被害の責任元を特定する必要がありますが、もともと機器に不具合があった場合や使用方法が不適切であった場合など、原因究明が難しいケースも多いでしょう。

企業がIoBを実現するには

企業がIoBを実現するには、自社サービスのユーザーを分析することに焦点を当て、どのようなデータを収集すれば事業に活用できるのかを検討します。

データをターゲティングした後は、データの分析を行うための機械学習プラットフォームを選択します。例えば、Amazon Sage MakerやAzure Machine Learningのようなクラウド型プラットフォームを活用すれば、迅速に開発を進めることができます。

ただ、ビッグデータを運用してビジネスに活用するには、高度なスキルをもったデータサイエンティストやデータベースエンジニアが必要になります。高いスキルをもつ専門人材は慢性的に不足しているため、外部の人材を効率的に活用すると良いでしょう。

まとめ

IoB(行動のインターネット)とは?活用事例と課題|企業が実現するには まとめ

IoB(行動のインターネット)についてまとめると、人の行動を把握する「Internet of Behavior(行動のインターネット)」と、身体情報を把握する「Internet of Bodies(身体のインターネット)」の2つがあると言えます。

IoB(行動のインターネット)は、新型感染症の拡大やユーザーのニーズが変化しやすいことから注目を集めており、既に顔・静脈認識システムやGPSによる位置情報取得、そしてWebサイトなどのソーシャルメディアにおいて活用されています。

IoBを実現するには、ウェアラブル(定量化)・体内化・ウェットウェアの3つのフェーズがあり、現段階ではウェットウェアを活用する段階には至っていません。
また、IoBにはセキュリティやプライバシー保護の問題、そして故障時の不安といった課題が残されています。

企業がIoBを実現するには、自社サービスのユーザーに関するデータを収集し、クラウド型の機械学習プラットフォームや外部人材などを活用すると良いでしょう。

ぜひ、自社のサービスにはどのようなデータが活用でき、IoBを実現するにはどのような取り組みができるのかを検討してみてください。

★以下の記事もよく読まれています。

人材不足でお悩みの企業様へ

IT業界では長年課題となっている「慢性的な人材不足」と「案件の低単価化」…

この課題を解決するBtoBマッチングサービスがあるのをご存じですか?

その名も「ふるリモエンジニア」。

ふるリモエンジニア」は、フルリモート案件に特化し、システム開発案件を発注したい企業と受注したい企業を直接つなげることで、全国から開発リソースの確保することが可能になります。

人材不足でリソースを確保したい

リソース不⾜が原因で、 相談や依頼のあったシステム開発の受注を断念した経験はありませんか?

ふるリモエンジニア」では、開発体制の⼀部をフルリモート化することで、全国の実績豊富な開発企業と協業体制を築きます。

人材不足、リソース不足でお困りの企業様はぜひ一度ご相談ください。(詳細はコチラ)

発注企業様向けに新しく『Freeプラン』をリリースいたしました。

今だけ『初期費用0円キャンペーン』実施中のため、「完全無料」で当サービスの利用を開始していただけます。

ぜひ、この機会に「ふるリモエンジニア」へお申し込みいただき、サービスをお試しください。

※案件のご掲載をご希望の場合は、有償プランへのアップグレードが必要となります。

エンジニアをお探しの企業様へ フルリモート開発で人材不足を解決!まずは資料請求してみませんか?

案件を獲得したい

ふるリモエンジニア」は、システム開発を依頼したい企業と直接つながることができるBtoBマッチングサービスです。

フルリモート案件に特化することで、全国どこでも開発が可能となり、いままで断念していた案件の獲得も可能となります。

案件を獲得したい企業様はぜひ一度ご相談ください。(詳細はコチラ)

案件をお探しの企業様向けに『お試しキャンペーン』を実施しております。

キャンペーン期間中は、エンジニア登録2名様まで「完全無料」で当サービスをお試しください。

ぜひ、この機会に「ふるリモエンジニア」へお申し込みいただき、サービスをお試しください。

※3名様以上のご登録をご希望の場合は、有償プラン月額11,000円へのアップグレードが必要となります。

お試しキャンペーン

フルリモートに特化した開発案件が見つかる!まずは資料請求してみませんか?

アバター画像

ふるリモ編集部

ふるリモメディア編集メンバーが不定期で更新します。
システムエンジニア業界と社会の動向から今話題の最新トピックまで、わかりやすく紹介します!

関連記事Related article

おすすめ記事Recommend

ジャンルから記事を探すSearch by genre

カテゴリから記事を探すSearch by category

案件をお探しの企業様へ フルリモートに特化した開発案件が見つかる「ふるリモエンジニア」のサービス詳細はこちら案件をお探しの企業様へ フルリモートに特化した開発案件が見つかる「ふるリモエンジニア」のサービス詳細はこちら
エンジニアをお探しの企業様へ ふるリモエンジニアならBtoBでエンジニアの⼈材不⾜を解決!サービス詳細はこちらエンジニアをお探しの企業様へ ふるリモエンジニアならBtoBでエンジニアの⼈材不⾜を解決!サービス詳細はこちら