Microsoft Azure(アジュール)とは|特長と業界別ユースケースを解説

2023.04.27

Microsoft Azure(アジュール)とは|特長と業界別ユースケースを解説

DXが推進される中、クラウドサービスの導入が進んでいます。
代表的なパブリッククラウドには、AmazonのAWSやGoogleのGCPの他に、Microsoftが提供する「Microsoft Azure(アジュール)」があります。

このページでは、Azureの特長と導入が向いている企業、そしてAzureの機能を業界のユースケースとともに解説します。

Microsoft Azureの概要

Microsoft Azureの概要

まずは、Azureの概要と提供するサービスについて解説します。

Microsoft Azureとは

Microsoft Azureとは、Microsoftが提供するパブリッククラウドサービスを指します。

Microsoftは、2008年10月のデベロッパーカンファレンスにて「Windows Azure」を発表し、2010年10月にサービスを開始しました。

そして、WindowsだけでなくLinux OSや様々なオープンソースソフトウェアへの対応も進めており、オープン性を示す意味を込めて2014年「Microsoft Azure」へと名称を変更しました。

Microsoft Azureが提供するサービス

Azureは、ITインフラに該当するIaaSや、OSやミドルウェアまでを提供するPaaS、そしてアプリケーションまで提供するSaaSを提供しています。

AzureのIaaSは、例えば仮想マシンサービスの「Azure Virtual Machines」やサーバーレスなクラウドファイルが共有できるストレージ「Azure Files」などがあります。

また、PaaSにはデータベースサービスである「Azure SQL Database」や、チームでシステム開発を行う際に役立つ「Azure DevOps」などがあります。

そしてSaaSには、Microsoft 365(旧Office 365)やオンラインストレージである「OneDrive」などが挙げられます。

Microsoft Azureの特長と導入が向いている企業

Microsoft Azureの特長と導入が向いている企業

次に、Azureの特長と導入が向いている企業について解説します。

Azureの特長1:Microsoft製品と親和性が高くオンプレミス連携がしやすい

Azureは、Windowsのライセンスを保有する企業やMicrosoft Office製品を利用している企業に適しています。

Azureにオンプレシステムのバックアップやサーバーの同期ができる

多くのパブリッククラウドは、全てをクラウド化する「フルクラウド」を前提としているのに対し、Azureは「全てをクラウドに移行する必要はない」という考えに基づいており、ハイブリッドクラウドを前提としたサービスが充実しています。

例えばオンプレミス環境でサーバーの仮想化を実現する「HCI(Hyper-Converged Infrastructure)」のバックアップ機能もAzureで運用することができます。

また、Azureは、オンプレミスの自社サーバーと同期しやすい点も特長です。
ファイルストレージ機能「Azure File Sync」を使うと、オンプレミスの柔軟性やパフォーマンスの互換性を維持しながらメンバー間でファイルを共有できます。

オンプレ/クラウドのデータをAzure上に統合できる

Azureのサーバーレスデータ統合ツール「Azure Data Factory」では、システムに点在している全てのデータを統合することができます。

90を超えるコネクタを使用しているため、追加のコストやメンテナンスなしに大規模なオーケストレーションと監視が可能になり、データはいつでもストレージサービスから取り出すことができます。

Azureの特長2:高いスケーラビリティと可用性 

Azureは世界中に60以上のリージョンを備え、140の国・地域で利用可能(※23年4月時点)とスケーラビリティが高く可用性に優れているため、BCP(事業継続計画対策)やシステムの安定性を重視する企業に適しています。

Azureの「Azure Site Recovery」を利用すれば、災害などで大規模なIT停止が起こっても継続してアプリケーションを実行し、ビジネスを稼働し続けることができます。

Azureの特長3:拡張性・柔軟性が高い

Azureは、ユーザーの環境に合わせてシステム構築や機能の追加ができるため、既存の開発環境を引き継ぎながらクラウドサービスを活用したい企業に向いています。

例えば、Microsoftが提供する基幹業務アプリケーションシリーズ「Dynamics 365」や「Microsoft 365」を、Azure上で構築できます。

また、様々なアプリを提供する「Azure Marketplace」では、例えばOracle Databaseの機能「Oracle RAC」やRed Hatのハイブリッドクラウド自動化サービス「Ansible Automation」が提供されています。

このように、ユーザーは自社のシステム環境に合った形でAzureのクラウドサービスを導入することができます。

Azureの特長4:高セキュリティな環境

Azureは高セキュリティな環境を維持しているため、多くの個人情報や機密情報を扱うことの多い企業に適しています。

例えば、Azureは90種類以上のコンプライアンス認証をもち、国際的な情報セキュリティに関する規格「ISO 27001」や、サイバー防衛のための構成基準である「CISベンチマーク」に準拠しています。

また、オンプレミスとクラウドの両方でセキュリティ対策を一元管理する「Azure Sentinel」を活用することで、ユーザーの開発環境を問わず高いセキュリティ性が保てると言えます。

Azureの特長5:MicrosoftパートナーCSPの活用や直感的な操作が可能

Microsoftには、CSP(Cloud Solution Provider)と呼ばれるパートナー企業が存在し、CSPがAzureのサービスを販売するという仕組みを取っています。

そのため、クラウド導入に対応する人材がいない場合や、クラウドに関するノウハウが無い企業でも、Azureの導入・運用サービスを提供しているCSPを活用できます。

また、Azureはサーバーの構築やネットワークの設定、ストレージの管理などを全てGUIで直感的に行えることや、Microsoftが提供するハンズオンを受講することで開発を進められることも、企業が導入しやすい点と言えます。

そのほか、利用料金を日本円で支払うことができるため、為替の変動を気にせず利用できる点も導入メリットと言えるでしょう。

Microsoft Azureの機能・活用事例を業界別に紹介

Microsoft Azureの機能・活用事例を業界別に紹介

最後に、実際にAzureの活用事例を業界ごとに紹介します。

Microsoft Azureのユースケース1:小売業界

小売業界では、例えば機械学習モデルを用いて顧客のCX向上のための分析を行う「Azure Synapse Analytics」や、製造から販売のサプライチェーンを最適化する「SAP on Azure」などが活用されています。

また、顧客に関するビッグデータを包括的に分析し、戦略に役立てる「Azure Data Lake Storage」といった分析基盤の構築ツールもあります。

<小売業界での活用事例>

イオングループの都市型小型スーパーマーケット「まいばすけっと」では、Azureの開発者向けAPIを活用し、店舗スタッフの負担軽減を実現しています。

同社では、欠品商品の品出しや棚の奥にある商品を手間に出す作業が頻繁に発生するパン棚のオペレーションが課題だったため、売り場の在庫状態をデータとして可視化する「Azure Cognitive Services」を導入しました。

これにより、在庫状態の定量化・売上実績・廃棄のバランスを考慮してオペレーションを組むことができ、業務の最適化を実現しました。

※引用:Microsoft

Microsoft Azureのユースケース2:金融業界

金融業界では、「Azure AI」や「Azure Synapse Analytics」などを活用して消費者データと予測分析を行い、既存顧客のCXを高める取り組みや潜在顧客の獲得に役立てています。

また、Azureには不正行為に対する規制措置を行い、様々なリスクを回避するための金融サービス向け「Azureハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)」も充実しています。

<金融業界での活用事例>

三井住友フィナンシャルグループでは、Azureのマネージドコンテナサービス「Azure Kubernetes Service」を「照会応答支援システム」の構築ツールとして導入し、独自のログ監視システムや、不正アクセスの制限・検知を実現しています。

※引用:Microsoft

Microsoft Azureのユースケース3:政府・行政機関

政府や行政機関では、Azureを利用することで福祉手当に関わる業務の効率化や不正行為に迅速に対応する仕組みを構築できます。

具体的には、リアルタイムの分析と情報の取得を可能にする「Azure Synapse Analytics」や「Azure Cosmos DB」などが挙げられます。

<政府・行政機関での活用事例>

千葉県市原市では、市民サービスをデジタル化し、パーソナライズ化を進める「デジタル コミュニケーション基盤」を構築するために、AzureのID管理基盤を導入しました。

同市は、特に子育て世代が子育てに関する諸手続きや予防接種の管理といった作業に大きな負担を抱えていることに注目し「Azure Active Directory B2C」を導入しました。

導入の結果、妊娠や子育てに関する情報を集約できる母子手帳アプリ「母子モ 子育て DX 小児予防接種サービス」を開発し、子育て世代の負担を軽減と医療機関の業務効率化を実現しています。

※引用:Microsoft

Microsoft Azureのユースケース4:製造業 

製造業では、製造施設にクラウド機能を統合しデータを一元管理することでオペレーションを最適化するIoTソリューション「Azure Industrial IoT」などが活用できます。

また、画像認識で不具合を検出する「Sage Automotive」や、売上データと在庫の予測を管理する「Azure Synapse Analytics」などもあります。

<製造業での活用事例>

神戸製鋼グループの一員として建設機械の生産から販売、サービスの提供を行うコベルコ建機は、ICT改革の一環として「K-DIVE CONCEPT」の具現化を進めています。

K-DIVE CONCEPTとは、建機のリモート操作とクラウドマッチングシステムを用いて建設作業の省人化を進めることで、コスト削減や生産性・安全性向上を実現し、建設技能者不足に対応するものです。

具体的には、地理空間マッピング APIである「Azure Maps」を用いることで、作業場から離れた場所でも各建機の稼働実績や従業員の作業位置の確認、また危険インシデントの発生の予知を行うことができます。

また、「Cognitive Services (AI)」の顔認証機能は、オペレーターがよそ見をしたときに警告を出すことで作業の安全性を保つといった役割を担っています。

※引用:Microsoft

Microsoft Azureのユースケース5:医療業界

医療業界では、クラウド型電子カルテシステムや「Azure IoT」などを活用し、患者の継続的なモニタリングや医療業務の効率化を実現します。

<医療業界での活用事例>

中小規模の病院では、導入コストや対応可能なIT人材の不足といった理由で紙カルテから電子カルテへの移行が難しいケースがあります。

山梨県にある貢川整形外科病院では、カルテの電子化がされていないと医療人材の確保が難しくなると実感し、電子カルテへの移行を決断しました。

同院はAzureを基盤にしたクラウド型電子カルテ「NEWTONS Light」を導入し、セキュリティ性を確保しながら医師の業務や薬剤関連業務、窓口での会計業務といった様々なデータの一元管理を実現しました。

また、ランサムウェア攻撃にあった場合に迅速な復旧を可能にする「Azure Backup」や最高レベルの脅威保護を提供する「Azure Firewall」なども活用し、近年増加している医療機関へのサイバー攻撃への対策も行っています。

この電子カルテ導入により、職員の業務効率化や外来患者の会計の待ち時間短縮を実現し、医療サービスの質を向上しています。

※引用:Microsoft

まとめ

Microsoft Azure(アジュール)とは|特長と業界別ユースケースを解説 まとめ

Microsoft Azureについてまとめると、IaaS・PaaS・SaaSを提供し、WindowsだけでなくLinux OSや様々なオープンソースソフトウェアなどにも対応するパブリッククラウドと言えます。

そして、Azureの特長と導入が向いている企業について次の5つが挙げられます。

・特長1:Microsoft製品と親和性が高くオンプレミス連携がしやすい
→Windowsライセンスを保有する企業やMicrosoft Office製品を利用している企業に向く
・特長2:高いスケーラビリティと可用性
→BCP(事業継続計画対策)やシステムの安定性を重視する企業に向く
・特長3:拡張性・柔軟性が高い
→既存の開発環境を引き継ぎながらクラウドサービスを利用したい企業に向く
・特長4:高セキュリティな環境
→多くの個人情報や機密情報を扱う企業に向く
・特長5:MicrosoftパートナーCSPの活用や直感的な操作が可能
→自社にクラウド導入に対応できる人材がいない場合や、クラウドに関するノウハウが無い企業に向く

Azureは、小売業界や金融業界、政府・行政機関、製造業界、そして医療業界などで幅広く活用されています。

特に、オンプレミスとクラウドが共存するハイブリッドクラウド環境の構築を推進している点や、Microsoft製品との親和性が高い点、そして高セキュリティな環境が構築できる点がAzureの特長と言えます。

Azureが自社のシステム環境にマッチしている場合は、ぜひ導入を検討してみてください。

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