基幹システムのクラウド移行とは?メリット・デメリット、移行のポイントを解説!

2023.06.22

基幹システムのクラウド移行とは?メリット・デメリット、移行のポイントを解説!

総務省による「令和3年版 情報通信白書」によると、クラウドサービスの利用率増加に反して、基幹システムのクラウド利用率は低水準に留まっています。しかし、今後さらなるDXの推進や「2025年の壁」問題を考えると、基幹システムのクラウド移行は急務と言えます。

このページでは、基幹システムのクラウド移行が望まれる理由やそのメリットとデメリット、そしてクラウド移行を成功させるポイントを解説します。

基幹システムのクラウド移行が求められる理由

基幹システムのクラウド移行が求められる理由

まずは、基幹システムの概要とクラウド移行が求められる理由を解説します。

基幹システムとは

「基幹システム」とは、企業経営に必要不可欠な基幹業務を扱うシステム全般を指します。

主に、生産管理や販売・受注管理、在庫管理のほか、従業員の勤怠・労務管理、そして企業の金銭のやり取りを管理する財務会計管理のようなシステムがあります。

そして、関連する言葉に「情報系システム」や「ERP(企業資源計画)」があります。

情報系システムは、メールやスケジュール管理ツールといった、社内コミュニケーションや業務を効率化するシステムですが、企業経営に影響を及ぼすほどのものではありません。

また、ERPとは企業経営に関わる全ての情報を統合・一元管理して有効活用する計画や考え方を指します。基幹システムは、業務内容ごとに独立して存在するという点が異なります。

基幹システムのクラウド移行が求められる理由

基幹システムは、次の理由でクラウド移行が急務とされています。

オンプレミスシステムの老朽化が深刻

従来、多くの企業では自社サーバーにソフトウェアをインストールして利用するオンプレミスが一般的でした。しかし、必要に応じて機能の追加やシステムの修正を繰り返したことによる、レガシーシステムのブラックボックス化が問題になっています。

このことは経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」でも「2025年の壁」として問題視されています。この状態を放置した企業は、障害発生時に迅速に対応できないだけでなく、先端技術との連携やデータの戦略的運用ができずに競争力を失う可能性があると警鐘を鳴らしています。

データを戦略的に活用する必要がある

社内の各部署で異なるクラウドサービスを導入していると、他部署のデータを活用したい場合や経営情報を可視化したいときに、データの統一と整理を行わなければならないため、非常に時間がかかります。

一つのクラウドサービスで社内のデータを一元管理することで、部署をまたいだデータ活用と経営の可視化が容易になります。

今後、IoTやAI技術の発展によって企業に集まるデータの量はさらに膨大になり、多様化するビジネスに乗り遅れないためには、全てのデータを戦略的に活用し新しい価値を生み出す必要があります。

クラウドファーストが推奨されている

政府は、2018年6月「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」を発表し、「クラウド・バイ・デフォルト原則」の中で情報システムを新規に構築、あるいは更新する際、クラウドを優先的に利用するという「クラウドファースト」を推進しています。

これにより、企業だけでなく政府情報システムも、災害対策やリモートワーク実現のための適切なクラウド活用が進んでいます。

基幹システムをクラウド移行することのメリットとデメリット

基幹システムをクラウド移行することのメリットとデメリット

次に、基幹システムをクラウド移行するメリットとデメリットを解説します。

基幹システムをクラウド移行するメリット

クラウド移行によって多くのメリットがあります。

システムの導入・管理にかかるコストやリソースを削減できる

自社でオンプレミスサーバーを運用する場合は、常時システムのメンテナンスを行う必要があります。また、アプリケーションのサポートが終了したときや予期せぬ機器の破損・停止が起こった場合、自社で再構築や復旧作業などを行わなければなりません。

クラウドサービスを利用すれば、短時間で導入・構築作業が完了し、メンテナンスやアップデートも全てベンダーが行ってくれるため、システムの運用管理にかかるコストとリソースを大幅に削減できます。

サーバー増強や機能変更が容易で、どこからでもアクセス可能になる

オンプレミスシステムに新たに機能を追加するには、CPUやストレージを追加するための機材を調達する必要があり、かなりの時間と費用を要します。また、社内のネットワークに接続したPCでの利用を原則としていることもオンプレミスシステムの特徴です。

一方クラウドサービスは、管理画面からCPUやストレージの増減が行えるだけでなく、ネットワークのトラフィックを時期や時間帯に応じて調整するといった柔軟な対応が可能です。

また、クラウドにすることで社外からも社内ネットワークにアクセスでき、出張先や自宅でのリモートワークも円滑に進められます。

常に最新のシステムとセキュリティ対策が行えてBCP対策になる

オンプレミスシステムの場合、社内のエンジニアがソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策を行います。また、災害時に基幹システムが被害を受けてしまうと、重要なデータの損失や業務停止を余儀なくされる可能性があります。

クラウドサービスを利用すると、アップデートやセキュリティ対策はベンダーが行うため、エンジニアは手間をかけることなく常に最新のシステムを利用できます。また、複数のデータセンターにシステムをバックアップできるため、BCP対策にもつながります。

基幹システムをクラウド移行するデメリット

クラウド移行には、いくつかのデメリットがあります。

ベンダーに依存するリスクや徹底したセキュリティ対策が必要

システムをクラウドにすることで、ベンダーの通信障害やシステムダウンによって突然サービスが利用できなくなるケースがあります。

不具合が生じた際は、例えばAWSだと「AWS Health Dashboard」のような障害発生情報を確認すると、ベンダーのシステム自体に障害が発生しているかどうかがわかります。
事前に、過去にどのような不具合が発生していたのかをチェックしておくと、いざという時に対応しやすいでしょう。

また、クラウド利用により社内システムへのアクセス方法やエンドポイントが多様化しています。セキュリティ機能とネットワーク機能を1つのクラウドに統合させたフレームワーク「SASE」の導入や、従業員のセキュリティリテラシーを高める取り組みが求められます。

カスタマイズ性が劣る

オンプレミスの基幹システムは、自社の業務内容やニーズに合った機能を自由に組み合わせて構築できますが、パッケージ型のクラウドサービスはカスタマイズ性が低く、必要に応じてオプションを追加していく必要があります。

クラウドサービスは従量課金制が主とはいえ、オプション機能を追加していくうちに予算をオーバーしてしまう可能性があります。あらかじめ必要な機能を選別をした上で、月々の予算組みを計画的に行った方が良いでしょう。

クラウド移行は大がかりで高度な技術が必要になる

基幹システムは、企業の経営に関わる重要なシステムのため、データの破損や流出といったリスクに配慮しながら慎重にクラウドへ移行しなければなりません。

また、導入前にはクラウドベンダーや機能の選定、運用体制の整備、そして運用管理のノウハウを社内に浸透させる作業といった様々な工程を踏む必要があります。

例えばAWSには、無料で組み合わせ可能な機能だけでも100以上あり、その中から自社に最適なものを選定する作業も難しく大がかりなものになるでしょう。

基幹システムのクラウド移行を成功させるポイント

基幹システムのクラウド移行を成功させるポイント

最後に、基幹システムのクラウド移行を成功させるポイントを解説していきます。

現状分析を行い、本当に必要な機能を選定する

クラウドサービスの検討を行う前に、自社のシステムの利用状況の分析と必要な機能の選定を行います。また、現在どのような課題があるかを可視化し、効率化できる工程を洗い出すことで、必要な機能を明確に定義することができます。

そして「自社のオンプレミスのシステムをそのままクラウドにコピーする」という認識ではなく、必要な基幹システムをクラウド化し、オプションの機能をオンプレミスで継続利用するといったハイブリッド利用も選択肢の一つに入れると良いでしょう。

自社に合わせてクラウドサービスを選ぶ

クラウドサービスにはSaaS・PaaS・IaaSの3つがあり、ニーズや自社のリソースに応じて使い分けることができます。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは、ハードウェア、OS、ミドルウェア、そしてアプリケーションまでを提供するクラウドソリューションです。最も簡単かつ迅速にクラウド移行を完了できる点がメリットと言えます。

一方で、既に完成しているサービスのため機能をカスタマイズしにくく、使いこなせていない機能が多く出てしまう可能性があります。

SaaSは、起業したばかりで自社の業務が固定化していない場合や、属人的な業務をまとめてクラウド化したい場合などに適しています。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは、ネットワークやサーバーといったハードウェアからOS、そしてミドルウェアまでを提供するクラウドソリューションです。

企業の規模に合わせて豊富なパッケージを選択できるほか、PaaSを導入することで開発環境を整備する手間が大幅に削減されるため、開発者はアプリ開発に集中できる点がメリットです。

一方で、開発言語やデータベースはクラウドベンダーが提供しているものに限られるため、既存のシステムと同様の仕様が再現できるとは限らず、多少自由度が劣るという点がデメリットと言えます。

しかし、PaaSを導入すると社内のリソースやコストを最適化しながら基幹システムの運用管理をクラウドに一任できるため、自社の新規サービスの開発や既存製品の改善に注力したい場合などに向いています。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、システムを構築する土台となるハードウェアを提供するクラウドソリューションです。

ハードウェアの保守に関する負担を軽減しながら、使用するOSやプログラミング言語などを自由に選択できる点がメリットですが、その分インフラやクラウドに高い知見のある人材が必要になります。

自社で独自開発したアプリケーションをそのまま移行したい場合や、カスタマイズ性の高いクラウド環境を利用したい場合に向いています。

可用性やセキュリティ性を見極める

基幹システムは、顧客や従業員の個人情報や企業の機密情報を扱うため、クラウド化する場合にはシステムの可用性やセキュリティ対策を徹底する必要があります。

可用性とは、災害などのアクシデント時にシステムを停止させることなく稼働できることを指します。クラウドサービスを選定する際は、ベンダーの可用性向上対策やサービス品質保障(SLA)の内容を確認しましょう。

また、クラウドに特化したセキュリティ認証にはISMSクラウドセキュリティ認証のうち「ISO/IEC 27017」を取得していることや、ベンダーのセキュリティ方針を記した「セキュリティホワイトペーパー」も重要な選定ポイントになります。

サービスのUIと連携性を確認する

既存の基幹システムと比較して、クラウドサービスが従業員が使いやすいUIかどうかもチェックします。

また、クラウド移行によって取引先と共有しているデータのレイアウトが変更になったり、連携がうまくいかなかったりすることがあります。クライアントの協力を仰ぎながら、適切にクラウド移行を進めていくと良いでしょう。

まとめ

基幹システムのクラウド移行とは?メリット・デメリット、移行のポイントを解説! まとめ

基幹システムのクラウド移行についてまとめると、基幹システムは企業の基幹業務を担うシステムであり、DXの推進やデータの戦略的活用のためにクラウド移行する必要があると言えます。

基幹システムのクラウド移行が求められる理由には、次の3つが挙げられます。

・オンプレミスシステムの老朽化が深刻
・データを戦略的に活用する必要がある
・クラウドファーストが推奨されている

そして、基幹システムをクラウド移行することで次のメリットがあります。

・システムの導入・管理にかかるコストやリソースを削減できる
・サーバー増強や機能変更が容易で、どこからでもアクセス可能になる
・常に最新のシステムとセキュリティ対策が行えてBCP対策になる

一方で、クラウド移行には次のデメリットがあると言えます。

・ベンダーに依存するリスクや徹底したセキュリティ対策が必要
・カスタマイズ性が劣る
・クラウド移行は大がかりで高度な技術が必要になる

基幹システムのクラウド移行を成功させるには、次のポイントを意識しましょう。

・現状分析を行い、本当に必要な機能を選定する
・自社に合わせてクラウドサービスを選ぶ
・可用性やセキュリティ性を見極める
・サービスのUIと連携性を確認する

基幹システムのクラウド移行は、他のシステムと比べて大がかりでコストもリソースもかかります。

移行に必要なノウハウや技術が社内に不足している場合は、導入から運用までをサポートしてくれるマネージドサービスや外部の専門人材を活用することも有効です。最適な人材を雇用するには、副業人材や地方の人材なども視野に入れると選択肢が広がります。

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